夕べの光の家で、わたしは過ぎし日を思い出す。
一瞬一瞬がどのように姿を現し、飛び去って行ったかを
それ以前に去ったすべてと、それ以後に来たすべてに触れながら。
ただ一つの瞬間ではなく
瞬間と変わりゆく影との結合。
夕べの光の家で、わたしは自分の人生がひもとかれるのを見る。
期待のバラ色の夜明けから
真昼の太陽の灼熱まで。その明るい光がいま照らしだすのは
・・・・・(途中2行省略)・・・・・
夕べの光の家で、わたしは暗闇が落ちてくるのを見つめる。
親しい顔が一つ、また一つと
わたしのもうよく見えない目から消えてゆき
今朝あれほど大切に思われたさまざまなことが
いまは時の口に呑み込まれるのを待っている。
夕べの光の家に、一つの星が現れて
わたしを新しい地平線へと導く。
そこには昼間のいっぱいの明るさの限界も
雨の約束をほごにした嘘つきの雲もない。
明日には太陽から新しい心が立ち上る。
※ナンシー・ウッド ・著(井上篤夫・訳)
『今日という日は贈りもの』 角川文庫( 2007年)
より、一篇抜粋させて頂きました。
posted by 今宿 夕湖 at 22:58| 滋賀

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ナンシー・ウッド
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